6週間単位でのメニューの組み立て方

 最初に6週間単位でのメニューの組み立て方を説明していきます。

フェーズは4つあり、計24週間かけてパフォーマンスの向上を狙います。

 

★フェーズ1 基礎体力養成期間 

 RPGでいうところのレベル上げです。

 フェーズ2以降のハードなトレーニングに耐える体作りをしていきます。

 60分以上のロング走やトレイルランニングを行い、

関節周りの筋肉や健を鍛えたり毛細血管を発達させたり、脂肪燃焼効率を向上させていきます。

 週4回はEペース練習の最後にウィンドスプリントを6~8本取り入れておくと、スムーズにフェーズ2に移行して行く事ができます。

 

★フェーズ2  スピード養成期間

 RPGでいうところの最大攻撃力UPです。

 200m~800m走のメニューを行います。

最大スピードを鍛え、効率の良い素早い走動作を身につけていきます。

 フェーズ3のインターバルトレーニングの効果を高める為の準備期間としての狙いもあります。

 フェーズ1でしっかりと基礎体力と基礎筋肉を身に付けていないと故障につながりやすいので気を付けなければいけません。

 

★フェーズ3 スピード持久力養成期間

 RPGでいうところの攻撃速度UPです。

 5分以内で走りきれる距離800m~1600mのインターバル走のメニューを行います。

フェーズ2で鍛えた最大スピードを継続させていくスピード持久力の向上が狙いです。

 非常にきついトレーニングなので、フェーズ1・2がしっかり行われていないと練習量を増やした時に故障をする恐れがあります。

 

★フェーズ4 乳酸回路(コリ回路)循環能力養成期間

 RPGでいうところの回復力UPです。

 テンポ走またはLTトレーニングとも呼ばれています。

20分~60分で出し切れる速度での時間走を行います。

強度の高い運動を行った際に筋肉から発生した乳酸が血液の流れに乗って肝臓に運ばれ、再びエネルギー源に変換させる能力(コリ回路)の効率を向上させ、高い強度の運動時でも体内に乳酸が蓄積しにくくさせるのが狙いです。

 インターバルトレーニングとは違い、疲労が強く残らないのでレースシーズンのメニューとして最適です。

 

★目標とするレースまで24週の期間がない場合の優先順位

約6週間  フェーズ1のみ 

約12週間 フェーズ1→4 

約18週間 フェーズ1→3→4

とするのがジャックダニエルズ氏の推奨している方法です。

 

1週間単位でのメニューの組み立て方

上記の6週間単位でのメニューの組み立て方を参考に最優先に取り組むべき強化練習をQ1、

年間を通して必要なメニューの補助的なメニューをQ2、

調子によっては行う程度の調整的なメニューをQ3とします。

Eは回復走またはMペース走の日です。

 

週に3日間ワークアウト日を取り入れる場合、

以下の表の3タイプが考えられます。

例えばDay1を月曜日とすると、Day7の日曜日にレースがある場合でも最優先の練習Q1を毎週行える利点があります。

しかし仕事や学校の都合などがあると思うので、

Day1が必ずしも月曜日である必要はありません。

Day 1   2 3 4 5 6   7
Type1 E Q1 E E Q2 E Q3
Type2 E Q1 E Q2 E E Q3
Type3 E E Q1 Q2 E E Q3

距離別 メニューの組み立て方

フェーズ1では特に1週間単位でのメニューを組み立てる必要はありませんが、Q1にロング走とを入れ調子の悪くないEの日に200mのウィンドスプリントを6~8本 取り入れると良いです。

フェーズ2からは目標とするレースの距離や伸ばしたい能力によってQ2・Q3のメニューを変えていく必要があります。

 

★1500m~5000mのレースが目標の場合は特にスピード系メニューを優先します。

Q2をインターバル走かテンポ走。

Q3にテンポ走かレペティション。

 

★5km~ハーフマラソンが目標の場合は特にスピード持久力と乳酸回復力を優先します。

Q2にテンポ走。

Q3にインターバル走かレペティション。

 

★ハーフマラソン~フルマラソン~ウルトラマラソンが目標の場合はフェーズ2~4を18週の1つのフェーズとして取り組んでいきます。

ワークアウトは基本的に週2回です。

特に持久力を優先するため、Q1も変えていく必要があります。

Q1にE~M~Tペースでのロング走。

Q2にテンポ走。